「小保方氏1人がやった」――STAP細胞をめぐる一連の騒動に関し、理化学研究所の調査委員会は4月1日、同所ユニットリーダー・小保方晴子氏の研究不正行為と断じた。これに対し小保方氏は不服申し立てを行い、9日の記者会見で徹底抗戦の姿勢を示した。一方、理化学研究所ではSTAP細胞の再現実験を今後1年近くもかけて行うという。結果はともかく、この間日本の科学研究に海外から厳しい視線が注がれ続けるだろう。

「すべてはあの記者発表に原因がある」と広報コンサルタントの石川慶子氏が言うのは、1月末の最初の会見。30歳のまだ実績のない研究者の発表に記者が大挙して押し寄せることはまずない。論文共著者、理化学研究所の名前が大きいのは明らかだ。割烹着、リケジョなどマスメディアの取り上げ方に批判も出たが、もともとは理研側が情報提供しなければ出てこない話である。結果論だが、雑誌「ネイチャー」への論文掲載だけなら世間の耳目も集まらず、問題の発覚までにはもっと時間を要したに違いない。

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