昨日までの技術と今日がつながる

しかし、繰り返して言いますが、書く前に坐ることです。小説は誰にでも書けるが、毎日、どんなことがあっても坐ると言うことは、誰にでも出来ることではありません。今日一日くらい、坐らなくても好いではないか、とちょっと思ったりする。

宇野千代『死ぬまで自由に生きる習慣』(明日香出版社)
宇野千代『死ぬまで自由に生きる習慣』(明日香出版社)

決して、そんなことを思ってはならない。毎日、或いは日に何度でも、寝る前にたった20分でも坐るのです。坐ると、昨日まで自分の考えたこと、書いたことをぱっと思い出す。つまり、昨日までのあなたの技術と、今日これから書く技術とがつながるのです。

つながる。毎日つながる。蟻のように遅々とした歩みであっても、それはつながり、重なる。あなたは意識してはいないが、あなたの能力は積み重なる。

この作用があるために、毎日坐るのです。坐らない日があると、積み重ねたあなたの能力は、そこでぷつりと切れる。そんな馬鹿なことがあって好いものでしょうか。

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