年齢を重ねても若々しい人は何が違うのか。NHK朝の連続テレビ小説「ブラッサム」のモデルで98歳まで生きた宇野千代は「習慣化された歩くということの愉しさは、老齢の私にとって、体を整える上に、何ものにも代えがたい運動なのです」と書いている――。
※本稿は、宇野千代『死ぬまで自由に生きる習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
起き抜けに、コップに一杯の水
この頃、私の気にかけていることは、大抵、体に関する事が多い。これは、晩年にさしかかった人間の、一番気にかかることなのかも知れない。
朝、起き抜けに、コップに一杯の水を飲む。それから、一万歩歩く。大抵これで、便通のありそうな気配になる。便秘がちな私にとって、これは何よりも有難いことである。
一日のうちに1回、便通があったか、なかったか、これが一番、気にかかることだと言ったら、人は信じるだろうか。
心は平常心に、呼吸はゆっくりと深く長く、そうしましたら、次は体を整える番です。体を整えるとは何でしょうか。動かすことですね。
私は、昔から、人がよいと言ってすすめてくれたものは、大抵やってきました。たわしで体をこすると皮膚によいと教えてくれたのは、亡くなった友人の宮田文子でした。一時期はそんなこともしましたが、ずっと続けているのは歩くことですね。
一日1万歩の習慣を、私は30年来続けて来ましたが、しかし、これは、単に体を動かすことが体によいというだけのためではありません。とても気持ちがよいのです。どんなによいことでも、辛くては続きません。その点、歩くということは、全身運動です。体中の血のめぐり、気のめぐりがよくなります。

