歩くでも食べ物でもない「真の健康法」
これだけ、体のことに心を配っている人は、まァ、あるまい。しかし、私の若々しく見える秘密は、このことだけにあるのではない。
今日から明日以後のことに希望をつなぎ、その希望に向かって突進する、その突進の瞬間が、毎日毎日の生活なので、寝ても醒めても、そのことを考えると、おかしなことであるが、突進すると言うこの表現が、一番ぴったりする。
1つのことが済むと、また次の目的が湧いて来て、とめどもなく忙しい。これが私の生きている現状である。
健康法と言うのは、体操をするとか、歩くとか、あれを食べるとか、これを食べないとか言うことではない。いつでも、何か追いかけて行く目的があって、張り切っている状態でいることだと、この頃、そう思うのである。
「長生きの秘訣は何ですか」
私は、平成7年の11月28日に満で98歳の誕生日を迎えることになりました。年が明けますと、昔風の数え年でいいますと百歳になるというわけです。
明治、大正、昭和、そして平成。長生きといわれる人生を歩いてきたわけです。私は昔から何でも自慢の種にする癖があるのですが、これでまた1つ自慢がふえたというわけです。そうです。長生き自慢です。
人様から、「長生きの秘訣は何ですか」とたずねられることが多くなったというのも不思議ではない年齢になったというわけです。そんなとき、私は答えるのです。
「特別にすぐ効く秘訣があるわけではありませんが、その日、そのときをただただ夢中になって生きてきただけです。鳥のように、虫のように、自然にね」

