「トランプ嫌い→民主党に投票」とは限らない

実際に、米ニュースサイトのアクシオスが10月10日に報じたように、世論調査の信頼性に関しては、重大な疑義が提起されている。

たとえば、10年ほど前から繰り返し指摘されてきた、「トランプ支持者は世論調査員につかまらない」「調査の電話に出る人は、政治に強い興味を持つリベラルな人が多い」「設問の仕方が、構造的に民主党に有利な答えの誘導になっている」などである。

世論調査以外にも、長期的かつ大規模な民主党からの離党継続を示す政党別の有権者登録データが全米規模で蓄積されている。そこから読み取れる、「民主党への根源的な不信」も併せて検討すると、浮動票の多い主要票田の労働者層において民主党フィーバーが起こっているようには見えない。

わかりやすく言うと、「トランプ大統領が大嫌い→自動的に民主党に投票」という短絡的な前提は必ずしも当たっていないということだ。

その上で、米下院における現在の共和党のリードはわずか3議席なので、インフレと戦争という2大失策を犯した政権の党である共和党が、中間選挙で下院を失う可能性は依然高い。

トランプの暴れ度合いは民主党の勢い次第

トランプ大統領自身でさえ、繰り返し「歴史的に大統領の政党は中間選挙で負けることが多い」と認めており、米タイム誌の10月のインタビューで対応を問われると、「彼ら(民主党)は私を追及しに来るだろうし、そうなれば私も彼ら(の不正)を追及するだけだ」と答えている。

つまり、「返り討ちにしてくれようぞ」と脅しているのだ。闘争心がむき出しである。

だが、民主党の下院における勝利が、米メディアが予測するおよそ20~30議席増の津波級ではなく、数議席から10議席ほどの「さざ波」であるならば、どうなるだろうか。猛虎は「追い詰められた窮虎」にならず、その暴れ方も相対的に弱くなる。

日本の高市政権は、外交や軍事面、さらに貿易や連邦予算面でトランプ大統領が暴れ回る最悪のケースに備えつつ、ある時はトランプ大統領をおだて上げ、また別の時には日米共通の利益に基づいたビジネスライクな関係に徹するという、安倍元首相が敷いた基本路線を淡々と継承すればよいのではないだろうか。

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