物価高が続き、家計のやりくりに苦しんでいる人は多い。年金生活者や現役世代にアドバイスをする家計再生コンサルタントでFPの横山光昭さんは、「どの世代も家計対策の基本はムダな出費を省くこと。目を光らせているつもりでも、以外な盲点がある。投資は家計の見直しを十分した上で、できるだけ早いタイミングで長期継続することが重要だ」という――。

月5万円の赤字が出る年金生活

今回ご紹介するのは、年金生活に入って間もない鈴木秀樹さん(仮名・65歳)と智子さん(仮名・65歳)の事例です。

ともに無職で、年金収入は月にならすと秀樹さんが手取り約16万円(厚生年金+国民年金)、智子さんが約7万円(国民年金)、合計約23万円です。しかし、23万円では到底回していけず、例えば前月の支出は28万500円と、5万500円もの赤字が出ていました。

「今でも相当切り詰めているつもりですが、それでも毎月5万円程度の赤字が出るんです。これ以上どこを削ればよいか……万策尽きました」と、アドバイスを求めてこられたわけです。

早速家計を拝見すると、大きな無駄遣いをしている様子は見当たりません。それどころか、気を抜くと支出が増えやすい食費(5万円)や日用品費(8500円)などの生活費は、よくぞここまで抑えられているなあという印象。お話を伺うと、血の滲むような努力をされていました。

お盆の上に、ごはん、イワシ、豆腐、納豆、漬物が並ぶ
写真=iStock.com/Yuuji
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「食事は基本的に汁物とご飯を中心としたシンプルな食事。年金給付前(偶数月の15日が給付日)のカツカツの日は同じメニューが続く日も。ご飯のお供のふりかけはサケやタラコ、おかか昆布などの具材入りではなく、よりリーズナブルな白黒のごま塩。タンパク質は安価な豆腐などで補っています。卵は値上がりしていて手が出ません。

肉や魚は数日に1回のぜいたく品。凝ったおかずは調理をしても2人だと余るし、材料費もかかるので、夕方にスーパーで目当ての総菜に値引きシールが貼られた瞬間、さっと取ります。

汁物に入れる野菜などはお買い得な日にまとめ買いして、冷凍保存。光熱費は、使う部屋を1つに絞って冷暖房費を抑え、洗濯は2日に1回。車も退職を機に維持費の安い軽自動車に乗り換え、日用品はポイント還元率の高い日にまとめ買いをしています」(智子さん)

多少見直しの余地があったのは、通信費の不要なオプションくらい。もともと格安スマホを使っていましたが、通話かけ放題や故障紛失サポートなどのオプションがあったのを削ってもらうことにしました。