「民主党大勝利の津波」を予測する各メディア

また、単なる波ではなく、津波襲来を予想するのは、米ニューヨーク・タイムズ紙の政治アナリストであるネイト・コーン氏だ。同氏は9月22日に、「(共和党の牙城である南部)テキサス州とフロリダ州でトランプ大統領に流れていた大量のヒスパニック票が反転し、(その流れを受けて)全国的に民主党の津波がやってくるかもしれない」と分析。

共和党にさえ、同意するアナリストが少なからずいる。米政治サイトのポリティコは10月10日に、匿名の共和党の選挙参謀の話として、「この時点でトランプが、苦戦する共和党候補の挽回のためにできることは何もない。正直なところ、今から何かをしても遅すぎる」との見方を伝えた。保守系の米Foxニュースでさえ、新造語の「ブルーナミ(blue-nami)」を用いて、津波が襲来すると警鐘を鳴らしている。

米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のジョン・ウーリー名誉教授(政治学)に至っては、1934年から2022年までの中間選挙データの分析に基づき、「共和党が下院で43議席減、上院で12議席減という壊滅的な敗北を喫する可能性が高い」と9月に予想している。

もはや、米メディアや米専門家は「共和党必敗」の見方で「全会一致」しているような雰囲気だ。民主党所属のジェイミー・ラスキン米下院議員は、10月6日に出演した米ニュースケーブル局MS NOWの番組で、「全米で今、この瞬間、地滑りによる民主党圧勝の状態が出現している」と強気を見せた。

トランプ政権の「レームダック化」はない

共和党が上下両院を失えば、トランプ大統領が指導力や影響力を失った「レームダック状態」になると予想する向きもある。

だが、あのトランプ氏が負けを潔く認めたり、自身の権力の減退を甘んじて受け入れるとは考えにくいのも事実である。困難や迫害をはね返して、敵を見返すのが彼の流儀であるからだ。

実際に、トランプ大統領に近い筋がNBCニュースに語ったところによると、トランプ氏は選挙大敗という最悪のケースを予測して、「歯を食いしばって最後までやり切るモード(grind it out mode)」に入っている。

では、米議会を掌握した民主党が、弾劾や一族の腐敗追及にとどまらず、予算など法案の通過を阻止することで、トランプ大統領を屏風に閉じ込めてレームダック化させようとすれば、どうなるか。

めちゃくちゃに暴れて、屏風までビリビリに引き裂く可能性がある。「まともに歩行できないほどフラつく死に体のアヒル(レームダック)」どころか、「凶暴なトラ」である。