入試偏差値の低い大学から一流企業に入る方法はあるのか。受験・学歴評論家の伊藤滉一郎さんは「就職に強いのは、東大や早慶のような難関大学だけではない。入口の偏差値よりも“入ってからの伸び”に強みを持つ高コスパの大学がある」という――。

偏差値だけで「就職力」は見えない

大学選びにおいて、現在も入試の偏差値が大きな判断材料の一つとなっていることは間違いありません。偏差値の高い難関大学に入れば、誰もが知る人気企業への道が開け、そうでなければ選択肢は狭まる――。就職活動でも、そんな「大学序列」がそのまま続くと妄信する人は、学生のみならず親世代にも少なくありません。

履歴書
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しかし、人気企業の大学別就職者数を見ていくと、偏差値だけでは説明できない採用の実態が浮かび上がります。今回は、入試難易度だけでは見えない「就活に強い大学」の実力を探ります。

今回、就職人気ランキングの上位企業について、就職実績が確認できた主要79大学のデータ(2025年春)を集計したところ、企業ごとの明確な特徴が見えてきました。

【図表1】就職人気企業の難関大比率

人気企業でも「難関大比率」はバラバラ

例えば、5大商社の一角である伊藤忠商事では、今回確認できた就職者125人のうち、早慶と東京一科(東大・京大・一橋大・東京科学大)、旧帝大の出身者で68%を占めています。これは「人気企業ほど難関大出身者が多い」という世間のイメージに合致する結果です。

ところが、業界や企業を変えて横並びに比較すると、その景色は一変します。例えば、みずほフィナンシャルグループでは難関大比率は45%、トヨタ自動車では42%。一方、全日本空輸(ANA)では、早慶だけで計67人の就職者が確認できますが、全体の難関大比率は23%にとどまりました。

もちろん、大学ごとに学生数や文理構成も異なるため、この比率だけで就職難易度を単純比較することはできません。しかし、難関大出身者ばかりではない大手企業も確実に存在しているのです。