「中受偏差値50台」でも早慶に進学するには
東京一科(東大、京大、一橋、東京科学)・早慶などの超難関大学への合格を目指すなら、偏差値60以上の難関中高一貫校への進学が王道――これは中学受験業界では半ば常識とされる。しかし実際には、入試偏差値は中堅クラスでありながら、難関大学への進学実績が高い「コスパの良い」中高一貫校も存在する。
本稿では、日能研R4偏差値(合格率80パーセントライン)が50台以下でありながら、早稲田・慶應を中心に難関大学への高い合格(進学)実績を誇る中高一貫校を4校紹介する。
①早稲田佐賀中学校・高等学校(佐賀県・偏差値51)
コスパの良い中高一貫校の筆頭として挙げたいのが、早稲田佐賀中学校・高等学校だ。同校は2010年に開学した早稲田大として7番目の附属・系属校であり、比較的歴史の浅い共学の中堅校である。
中学受験における偏差値は51(2025年11月版日能研R4、複数入試日程の最低偏差値を示す)にとどまる。一方で、2025年3月卒業生のうち125人(全体の半数以上)が早稲田大へ進学しており、進学実績は極めて高い。同程度の進学実績を誇る早稲田中学校・高等学校(東京都・偏差値67)と比べても、中学入試のハードルは明らかに低い。
卒業生の半数以上が「推薦」で早稲田に進学
この「コスパの良さ」を支えている最大の要因は、早稲田大への推薦入試枠の存在だ。卒業生のおよそ50パーセントが推薦で進学可能であり、この枠は近年さらに拡充されている。実際に、2023年に120人であった推薦枠は、2027年に148人まで増えることが決まっている。
推薦は高校3年間の評定と学内実力テストの結果をもとに、成績上位者から希望学部を選択する方式となっている。成績上位層の一部は難関国立大学や医学部へ進学するため、推薦枠が余る年もあり、現実的に狙いやすい点は見逃せない。一部学部ではTOEFLスコアなどの独自基準が設けられている点には注意が必要だが、入学してしまえば使いやすい制度となっている。
在校生の約7割が寮生活を送っており、九州一円のみならず首都圏からも生徒が集まる。中学在籍者では九州出身者より首都圏出身者のほうが多く、遠方からの進学者へのフォローも手厚い。
寮では高1までは4人部屋で、定期的な部屋替えを実施。出身地域や家庭環境の異なる生徒同士の共同生活を通して、話し合いによるルール作りなど、社会性や協調性を自然と身につけられる環境が整っている。また、寮には全体学習時間が設定されて、九州大の先輩が質問にも対応。地方校でありながら、学習面・生活面の両面で手厚いサポートが受けられる体制となっている。寮生活で自立心を養いつつ、難関大進学の可能性を高められる「おいしい中堅校」といえる。


