路線は延びず、車両だけが速くなった
路線は延びないが、その後、車両だけが速くなった。走る場所のない車両は、いわば無用の長物だ。
2021年7月、青島。最高時速600キロのリニア車両が姿を現す。CNNは、国有企業の中国中車が製造したこの車両を、「世界最速の列車」と紹介した。だが、走らせる路線がない。営業運転している高速リニアの路線は、今も上海の一路線だけだ。
4年後、同じ光景が繰り返される。2025年7月、北京の国家鉄道試験センター。中国中車傘下の中車長春が、時速600キロ級の超電導リニアの先頭車両を公開した。
インターナショナル・レイルウェイ・ジャーナルは、中車長春の工場敷地内に建設中の試験線が全長200メートルだと伝える。この200メートルでは浮上試験すらできない。より長い試験線が要るが、その建設計画はまだ示されていない。
香港英字紙のサウスチャイナ・モーニング・ポストによると、2025年12月には人民解放軍系の国防科技大学が開発した新型車両が登場した。中国国内で放映された映像には、全長400メートルの試験線で、1トン級の車両が2秒足らずのうちに、時速700キロまで加速する様子が映っていた。これらはいずれも、試験車両にすぎない。
速度記録と、乗客を乗せる技術は別問題
試験線で速度記録の更新が相次ぐ一方、営業運転する高速リニアの路線は増えない。技術的な課題は浮上方式によって異なるが、上海リニアが採用する電磁吸引式では、制御の難しさが大きな壁になっている。
電磁吸引式のリニアは、車体と軌道の間に10〜15ミリほどのわずかな隙間を保ち続けなければ走れない。財新グローバルが2020年に報じたところでは、時速600キロで走らせる場合、隙間のずれを検知して磁界を調整するのに許される時間は、1000分の1秒ほどしかない。
中国科学院と中国工程院の院士、沈志雲(シン・シウン)氏は、「調整に残された時間が本当に短く、巨大なリニア車両に実際に乗客を乗せるのはかなり危険だ」と述べていた。
沈氏によれば、2020年の時点で、その水準の制御装置を作り、高速リニアを営業運転させるだけの技術力を、中国はまだ持っていなかった。すでに走っている上海の路線はドイツとの共同事業で、すべてが中国独自の技術で建設されたわけではないと、財新グローバルは指摘する。

