新たに着工した路線は時速160キロ
沈氏は、いま取り組むべきは研究と基幹技術の開発であり、実用化は2050年まで待つべきだと主張していた。
安全性とは別に、費用の問題もある。オーストラリア放送協会によると、英国の高速鉄道専門家アンドリュー・マクノートン氏は、リニアの建設費と運営費が従来型の高速鉄道の4〜5倍に達するとの研究結果を挙げている。
そのため、実際に動き出した計画では、速度はずっと控えめだ。
インターナショナル・レイルウェイ・ジャーナルは、2024年11月に湖南省の長沙と瀏陽を結ぶ全長48.7キロのリニア路線で、第1期の建設が始まったと伝えた。
計画上の最高時速は160キロにとどまる。目安として、東京と成田を結ぶ在来線特急「京成スカイライナー」の最高速度と同じで、新幹線など車輪式の高速鉄道にも遠く及ばない。
米国でも高速リニアの計画は足踏み
中国に続き、多くの国がリニアを導入する――。2002年にシュルツ氏が抱いたその確信は、結局のところ裏切られた。
2025年8月、米連邦鉄道局は、日本の超電導方式を採用する予定だったワシントン―ボルチモア間のリニア計画について、環境影響評価の手続きを打ち切った。米非営利地域ニュースサイトのボルチモア・バナーは、ショーン・ダフィー運輸長官の「最後までやり遂げるだけの手立てがなかった」という言葉を取り上げている。
リニアを発明したドイツにも、高速リニアの営業路線はいまだにない。米ニュース週刊誌のニューズウィークは2025年12月、ドイツ連邦鉄道庁が国内で初めてリニアの営業免許を交付したと報じた。
ただし、対象は高速リニアではない。建設会社マックス・ベーグルの子会社が手がける無人運転の都市型リニアで、最高速度は時速150キロにとどまる。こちらも日本の在来線特急並みということになる。

