意中の女性へプロポーズしたら、彼女の黒目が右へ動いた。さて、彼女の本心は? 表情、しぐさは雄弁だ。その意味をマスターすれば、相手の深層心理が手に取るようにわかるのだ。

脳内が矛盾する命令に葛藤している表れ

腕組みは「拒否・拒絶」のしぐさであると同時に、「自己防衛」のしぐさでもあった。では人は通常、何を守ろうとするだろうか。まずは、体だろう。体の前で腕を組むしぐさは、相手の物理的な攻撃から端的に体を守る効果がある。もうひとつは、心だろう。相手の攻撃によって精神的な打撃を受けるのを防ぎたいときに、人は腕を組む。

では、商談の場面で腕組みをしているセールスマンは、相手にどんな印象を与えるだろうか。おそらく、胡散臭さだろう。商談の相手が目の前で腕を組んだら、「こいつは何かを隠している。本音を言っていないな」という印象をあなたは受け取るはずだ。つまり、腕組みに象徴されるクローズ・ポスチャーは、「隠蔽」のサインでもあるのだ。相手に正直に言えないことがあり、それを相手に悟られると困るから、腕を組んで相手からの“突っ込み”を防御するのである。