NG発言をOK発言に言い換える
では、実際にどう言い換えればよいでしょうか。
NG発言を例に、一緒に考えてみましょう。
NG発言①(決算説明会でのCEO発言)
記者「今期は大幅減益となりましたが、その原因をどのようにとらえていますか?」
CEO「戦略自体は間違っていなかったと思います。ただ、実行が伴わなかったことが要因です」
本人にそのつもりはないのでしょうが、これでは責任を現場に押し付けているようにも聞こえてしまいます。社員の士気を下げるだけでなく、投資家にも「経営陣の統率力不足」を印象づけてしまいます。
これを、次のように言い換えてみましょう。
OK発言①
CEO「今期は市場の変化に対応しきれませんでした。社員とともに力を合わせ、来期は成長軌道に戻します」
OK発言では、社員の非難を避け「ともに」を強調しました。これなら、社員・投資家双方に前向きな姿勢を示し、信頼を維持することができます。
NG発言②(今村雅弘〈復興相〉2017年、東日本大震災被害についての発言)
今村氏「まだ東北でよかった。これがもっと首都圏に近かったら、甚大な被害だった」
この発言は被災者の感情を深く傷つけ、「被害の大小」を比較したと受け取られました。これを言い換えると、どうなるでしょうか?
OK発言②
今村氏 「東北でこれほどの被害が出た。一刻も早い復興に向けて、全力で取り組まなければならない」
こう語るほうが、リーダーとして深刻に受け止める姿勢が伝わるでしょう。
言葉を変えるというのは、単なる言い換えではありません。
トップリーダーの言葉には、組織の姿勢や価値観が表れます。だからこそ、「どの立場から語るのか」をつねに意識することが必要です。これがリスク管理の本質であり、一目置かれるリーダーの「戦略的話し方」の要なのです。
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