相手の年齢に応じて、伝え方はどのように変えたらよいか。スピーチコンサルタントの阿部恵さんは「話す内容の本質は同じでも、聞き手が違えば、事例やエピソードも変えなければ言葉は届かない。例えば、『変化の時代に、学び続ける力が人生を支える』というテーマで講演をする場合、相手が60歳以降の女性なら『これからの人生を快適に過ごすための知恵』として伝え、Z世代向けにはアプリやゲームなどアップデートが必要なデジタルツールを提示するといい」という――。
※本稿は、阿部恵『一目置かれるリーダーの戦略的話し方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
各界の専門家が講演会前に必ず把握すること
「あれ? この話、いつもならウケるのに、今日はなんか反応が悪いな……」
人前で話をする機会が多い人なら、こんな違和感を覚えた経験があるでしょう。
同じテーマでも、聞き手が代われば、話題や伝え方を変えなければなりません。
相手の立場や関心に合わせて、同じメッセージをどう届けるのか。リーダーの力量が問われる場面です。
国会議員の秘書時代、度々、各界の専門家を招いて講演会を企画・運営する機会がありました。その際、相手方から必ずと言っていいほど聞かれた質問があります。
「話を聞かれるのは、どういう方ですか?」
年齢層はどうか。経営者なのか、企業の管理職か、それとも若手議員が多いのか。男女の比率はどうか、業界は限定されているのか、それとも幅広いのか?
彼らは、話す前に必ず「聞き手」を把握しようとしていました。それによって、同じ専門分野の話であっても、どの視点で話したらよいのか、どういう言葉を選んだらよいのかなどが変わってくるからです。話すテーマは同じでも、相手に合わせて切り口を変える、ということですね。

