※本稿は、杉岡 充爾『不整脈・動悸・心房細動 自力でできるリセット法』(アスコム)の一部を抜粋・再編集したものです。
放置してはいけない不整脈
期外収縮と心房細動以外の、数は少ないが「対処必須の不整脈」について解説します。
最初は、心房細動と名前が似ている「心房粗動」です。これは、異常な電気刺激によって、心房が興奮して震えるような状態になる不整脈です。
心房が興奮して震える点は「心房細動」と同じですが、心房細動では、心房のあちらこちらから無秩序に電気信号が発生するのに対し、心房粗動では1つの電気信号が同じ回路を高速で規則正しくグルグル回ります。
心房細動の脈のリズムを「バラバラで速い」とすれば、心房粗動は「一定で速い」です。一定とはいえ、高速で脈打つという点で「脈が整っていない」ので、これも不整脈なのです。
正常な脈で5回打つ場合が「トン‐トン‐トン‐トン‐トン」であるなら、心房粗動の脈は「トトトトト」といったぐあいです。
また、心房粗動の起こり方には、突然始まって突然治る「発作性」と、1年以上続く「慢性」のタイプがあります。
心房粗動では、心房で1分間に200〜300回もの収縮が起こることがあります。ただ、すべての収縮が心室に伝わるわけではありません。例えば、300回の半分が伝われば、150回。通常は1分間に60回程度なので、だいぶ脈が速いということになり、動悸や息苦しさを感じるはずです。
10秒ジャンプで血栓を防ぐ
1/3が伝われば100回、1/4なら75回というパターンもあります。75回であれば異様にドキドキする、と感じることは少ないでしょう。症状がなければ、「何年もそのまま」ということも考えられます。
しかし、心房細動と同様、心房粗動を放置していると、心不全や脳梗塞のリスクが高まってしまいます。
治療法は心房細動と同じく、薬とカテーテルアブレーションの選択肢があります。カテーテルアブレーションの成功率は、90%以上と非常に高くなっています。
心房粗動も、発症したり健康診断などで指摘されたりしたら通院してほしいのですが、リスクを軽減するためには、杉岡メソッド「NOを出して血栓を防ぐ!」が有効です。
すなわち、この5種類です。
●「緊張・脱力体操」
●「ふくらはぎ・太もも裏伸ばし」
●「蹲踞から立ち上がり」
●「スロースクワット」
なお、心房粗動は、「期外収縮」や「心房細動」ほど多く見られる不整脈ではなく、当院では年間の初診患者数約200人のうち数人程度です。

