めまい・立ちくらみ・気が遠くなるときは注意
「上室性頻拍」は、房室結節や心房などに原因があって起こり、ほとんどが発作性の不整脈です。
心臓の中で電気が伝達する回路は、普通は1つです。しかし、この上室性頻拍の方は多くの場合、別の回路(2つ目の回路)を生まれつき持っていて、1つ目と2つ目の回路の間を電気がグルグル回ってしまうことで不整脈が出るというものです。
上室性頻拍は、突然始まり、突然治まります。1分間の脈拍数が、突然150回ぐらいで「トトトトト」と速い「頻脈」になり、突然ピタッと止まるのです。
全力疾走した後や、緊張したり興奮したりした後でも頻脈(洞性頻脈)になることから、それを不整脈と勘違いして来院する人もいます。
問診や検査などの結果、大部分は心配のない洞性頻脈なのですが、なかにはこの上室性頻拍であるケースもあります。
自覚症状としては、十中八九、動悸が現れます。ただ、動悸がいつも数秒で治まっていると気づかない場合もあり、意外とケロッとしている方も少なくありません。
その一方で、激しい動悸が出る方も多く、その場合は「家で1時間ほどじっとしていても動悸が治まらず、苦しくて病院に来た」と口にされます。
動悸の持続時間が長く、症状が強い人では、頻脈によって血圧が低下することがあり、「めまい」「立ちくらみ」「気が遠くなる」などの症状を訴える方もいらっしゃいます。
もしものときは「冷水で顔を洗う」
厳密に言うと、上室性頻拍には4種類ありますが、いずれもそれほど多く見られる不整脈ではなく、私のクリニックでは1年に数人見つかる程度の不整脈です。
上室性頻拍の主な治療法には、次の3つがあります。
●「注射」の抗不整脈薬
●「カテーテルアブレーション」
飲み薬は、たまにしか発作の出ない方が、「家でひどい発作が出た」ときに飲む「発作止め」の薬です。ですから、普段は飲まず、発作が出たときにだけ飲みます。
病院で抗不整脈薬を注射する治療を行うと、上室性頻拍の発作はすぐに治まります。ATPという薬を静脈に注射すると、先述した1つ目・2つ目の回路でできてしまった“電気の流れる輪”が切断されるからです。
ただ、切断しきれなかったり、すぐにまた元の状態に戻ってしまったりする場合は、カテーテルアブレーションをすることになります。
上室性頻拍に対するカテーテルアブレーションの完治率は95%以上と高いこともあり、最初からカテーテルアブレーションを選択することもよくあります。
上室性頻拍の発作が起こった場合は、セルフケアで「迷走神経」という神経を刺激すると治まる場合があります。
いくつかの方法がありますが、ご自宅でできるものとしては「冷水洗顔」が安全でやりやすいのでおすすめです。


