平均年収は629万円を超えた

客観的な評価は、そのまま社員の納得のいく報酬につながる。熊谷さんは「社員の年収」を経営目標の1つに据えている。

「上場企業の平均年収を目指しています。そもそも経営の目的が、社員とそのご家族の生活の安定と向上を実現することなので、それを端的に表せる指標が年収だからです。理想は物価上昇率よりも大きい上昇率」

机上の空論では決してない。現に2025年度の平均年収は、東証グロース市場に上場している企業の平均年収である629万円を超えたという事実がある。

熊谷社長
撮影=プレジデントオンライン編集部
石塚は上場企業の平均年収を目指す。「2025年度は東証グロースに上場する企業の平均を超えた」と熊谷社長。

社長渾身の「経営計画書」84ページ

会社の基本方針を、どう社員に浸透させるのか。1対1の個人面談から始まり、社内ブログで発信もしてきたが、一度、形にしてみようと「経営計画書」の冊子を作ったのが、2023年のことだった。18ページの冊子から始まり、4冊目の今年度は84ページに及ぶ、熊谷さんの渾身作だ。

「最初の年にみんなに渡して、『1年後に回収するよ』って言ったんです。読むだろうと思っていたのですが、8割ほどの人が読んでいなかった。形にして良かったのは、社員は会社の方針にさほど興味がないという現実を知ったことです。会社の方針を浸透させるために、この興味のないものをいかに読ませるか。そこで毎週の朝礼で、私が1項目ずつ読んで解説するようにしたら、翌年度から開封率は上がりました。読み込み度と会社の方針への理解度は、相関します。読み込んでいる人ほど会社の方針への誤解が生まれにくいし、細かく指示をしなくても大丈夫ですね」

経営計画書
撮影=プレジデントオンライン編集部
毎年更新する経営計画書。今期で4冊目だ

ここに詳らかにされているのは会社の方針や方向性、目標としている数字だけでなく、社員の年収にも及ぶ。

「年収を社員に開示するのも含めて、基本的には包み隠さずに、クリアにこういう状況だとみんなに見える状態にして、『だから、これから頑張ろうね』と。ブラックとかホワイトではなくて、目指すのはクリアな会社。透明性を高くすることを心がけています」