炭鉱、砂糖、繊維…次はコンサル?

ただし、そのPR を鵜呑みにしていいかどうかは、また別の話です。

書影
池上彰『AI時代に自分の頭でどう考える? 奪われるのは仕事か、思考か』(Gakken)

「いま一番人気の就職先が、実は危ない」――私はよくそういう話をします。

戦後間もない1940 年代末、東京大学を出た優秀な学生の最人気就職先は「炭鉱」でした。石炭業界です。次が砂糖会社。戦後の食糧難で砂糖は貴重品でしたから、砂糖業界は安定した人気産業に見えた。その次が繊維産業。鐘紡(カネボウ)や東洋レーヨン(現・東レ)といった会社には、当時の優秀な人材が大量に入っていきました。

しかしその後何が起きたか。石炭産業はエネルギー革命で衰退し、繊維産業は人件費の安いアジア各国に移転していった。「いま一番人気」の産業が、数十年後には斜陽産業になっていたのです。

翻っていま、東大生の人気就職先の上位はコンサルティング会社です。しかし先ほど書いたように、コンサルタントの仕事こそAIに代替されやすい職種の一つです。

「いま一番人気の仕事が、実は最も危うい」という逆説は、AI時代においても当てはまるかもしれません。

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