年齢を重ねると何が変わるのか。立命館アジア太平洋大学名誉教授の出口治明さんは「5年前に脳出血で倒れてから、右半身が麻痺して動かなくなった。それでも、僕という人間の中身は少しも変わっていない」という――。

※本稿は、出口治明『老いと死をファクトで考えてみた』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

車椅子を動かす男性
写真=iStock.com/PeopleImages
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5年前、体の変化は突然訪れた

まず、「体」の話から始めましょう。老いを迎えたとき、誰の身にも真っ先に、そして例外なく変化が現れるのが体だからです。

目がかすむ。膝が痛む。疲れが抜けない。人の名前が出てこない。

老いの入り口は、いつも体の変化からやってくるものです。そして考えてみれば、老後の不安の大半も、突き詰めれば体の不安です。動けなくなったらどうしよう、頭がはっきりしなくなったらどうしよう、その体で誰の世話になるのだろう。

いちばん確実にやって来て、いちばん心配の種になってしまう「体」との付き合い方について、僕なりの答えを出してしまいましょう。

僕は2021年の初めに脳出血で倒れました。この章は、老いや衰えとどう付き合うかという話をするわけですから、僕自身が、今どういう体で生きているのかを、正直にお伝えするところから始めましょう。

現在の状況としては、右半身が麻痺まひして動かないため、右手も右足も、僕の意思に応じてくれません。要介護3の認定を受けており、一人で立ち上がることも、着替えることも、簡単ではないのが現状です。

出口治明さん
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出口治明さん