1.朝が一番大事。親子で一緒に朝食をとり、コミュニケーションする習慣を
まず、最初に紹介するのは、家族で朝ごはんを食べる習慣です。育脳の生活の中で最も大切なのが、朝の時間です。食事は健康の基礎ですが、特に朝ごはんが脳の発達には大切なのです。脳は、活動に必要なブドウ糖を蓄えておくことができないため、定期的に補給する必要があります。特に起床後はブドウ糖が欠乏している状態で、朝ごはんをとることで脳はようやく働き始めるのです。
私たちの研究チームが、仙台市の小学5年生から中学3年生まで約4万3000人の子どもたちの朝食習慣と成績との関連について調べたところ、学校の成績上位グループの9割は、朝ごはんを毎日食べていることがわかりました。反対に、学校の成績下位グループの3割は、朝ごはんを毎日食べていませんでした。朝ごはんの習慣が学校の成績に直接影響を与えていることがうかがえたのです。
もう一つ大切なのは、誰と、どんな雰囲気で朝食をとるかということです。家族で顔を合わせ、短い言葉を交わすことで、子どもの前頭前野は刺激され、安心感や集中力につながります。朝は誰もが慌ただしいとは思いますが、できる範囲で構いませんので、朝ごはんを一緒にとることを意識してほしいと思います。
2.紙の本を読む習慣を。読み聞かせから始まり、読書が好きな子に育てる
次にお勧めしたいのが、「読み聞かせ」の習慣です。読み聞かせというと、親が一方的に本を読んで聞かせるものだと思われがちですが、脳を調べてみると実はとても豊かなやりとりが行われています。聞いている子どもは、考える部分よりも感情をつかさどる部分のほうが活発に働き、心が大きく揺さぶられる体験をしているのです。前頭前野が強く刺激されている状態です。
一方、親の脳では、子どもと心を通わせるためのコミュニケーションに関わる前頭前野が強く働いています。1日10分ほどの読み聞かせで、親の子育てストレスが大きく減るという調査結果もあります。
さらに、読み聞かせをきっかけに本の楽しさを知った子どもは、自然と読書に親しむようになります。私たちの調査では、読書習慣のある子どもほど脳の発達が進み、学力も高い傾向がはっきりと表れています。特に大切なのは、「紙」の本で読むことです。スマホやタブレットによる読書は、脳の発達にプラスにならないどころか、集中力が続かないなどのマイナスの影響を及ぼすことがわかっています。家庭で紙の読書環境を整えることが、子どもの脳を健やかに育てる大切な習慣だと、私は考えています。



