3.ご褒美や罰は意味がありません。子どもの「やる気スイッチ」は内側から入ります

「テストで80点以上とれたら、ゲームを買ってあげるよ」。子どもに勉強してほしくて、つい口にしてしまう言葉かもしれません。確かに、ご褒美があれば一時的には頑張るでしょう。しかし、その効果は長く続きません。「点が悪かったらゲーム禁止だよ」と脅すのも同じです。ご褒美も罰も、子どものやる気を育てるという点ではあまり意味がありません。なぜなら、外から与えられた条件に動かされているだけで、子ども自身が「やりたい」と思っていないからです。

子どもが自分なりの目的を持ち、「やってみよう」と感じている、いわゆる「やる気スイッチ」が入っている状態で学ぶことで、理解が深まり、学ぶ意欲が持続します。

では、そのやる気スイッチを押すにはどうすればよいかというと、最も効果的なのが、親のほめ言葉です。親からのポジティブな声かけに対して、子どもの前頭前野は強く反応します。ポイントは、すぐにほめること。子どもがテストの結果を持ってきたら、何をしていても手を止めて、その場で「よく頑張ったね」と伝えてください。「あとでね」ではなく、「今」が大切です。親のほめ言葉こそが、子どものやる気に火をつけるのです。

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4.目と目を合わせて話す。共感の力は、対面のやりとりで育ちます

最後にお伝えしたいのが、目と目を合わせてコミュニケーションすることの大切さです。これは相手の気持ちを感じ取り、共感する感性を育てるうえで非常に重要な習慣です。

その効果は、コロナ禍でリモートのやりとりが広がったことで、よりはっきりしました。リモート会議での画面越しの会話では相手と目が合わないため、前頭前野が十分に働かず、相手の発言に共感したり、深く理解したりしにくくなるという調査結果が出ています。

私たちの調査では、対面でのやりとりが少ない子どもほど、共感に関わる前頭前野の働きが弱くなる傾向が見られました。これは、家庭の中でも同じことが言えます。子どもの呼びかけに声だけで返事をするのと、目を合わせて話を聞くのとでは、脳の反応のしかたがまったく違うのです。目を合わせて話を聞いてもらえると、子どもは「自分の話を大切にしてもらえた」と安心感が得られ、それがやる気につながります。

数秒で構いません。立ち止まって目を見る、うなずく、それだけで十分です。これは家庭でできる、最も基本で大切な育脳の習慣だと私は考えています。

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※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。