右半身は動かず、言葉が出てこない

この体になったのは、5年ほど前、2021年1月9日の朝のことでした。前の年の暮れに母が亡くなり、その四十九日の法要のために、僕は故郷の三重県へ向かうところでした。当時は大分県別府市にある大学の学長を務めていましたから、まず別府を発たち、福岡から新幹線に乗ろうと思い、福岡のホテルに宿泊することを決めました。

そして、次の日の朝、何の前触れもなく、ホテルの部屋で倒れていたのです。病院に行かなくてはと思いましたが、意識が朦朧もうろうとしていて、当時の記憶はほとんど残っていません。

搬送された病院での診断は、左被殻ひかく出血。これは、脳出血の一種でしたが、幸い命に別状はなく、手術もせずに済みました。でも、目を覚ましたとき、僕の右半身は動かず、言葉が出てこなくなっていました。