積み立てと言っても預金ではない
この「NISA」で人気なのが、「積立NISA」。毎月決まった額の投資信託を積み立てていくものです。
「積立」と聞くと、多くの人は「積立貯金」を連想し、少しずつ増えていくというイメージを持っているのではないでしょうか。実際に、金融庁のホームページには、月々の積立金額と想定利回りと積立期間を入れると、自動的にいくらになるか計算できるシミュレーターがあります。例えば、毎月3万円を想定利回り3%で20年間預けると、将来981万円になると出てきます。
ただ「積立」とはいえ投資商品なので、実際には運用の結果がマイナスになることもあるでしょう。けれど、このシミュレーターには「マイナス」が入らない。これだと、積み立てたものは増えこそすれ目減りするなどとは誰も思わないでしょう。確かに読みにくい小さな字で「内容の正確性、完全性、信頼性等を保証するものではありません」と書かれていますが、国がすすめるのですから、むしろ目減りのリスクについては大きく書いておくべきでしょう。
国がすすめるから大丈夫などと、安心しない方がいいかもしれません。
「老後人生への投資」も忘れずに
将来への不安から無理してでも投資をしなくてはと思うより、気持ちよく働き続けられる環境を整えたり、趣味の時間を楽しんだりして、心身ともに前向きに過ごす方が、価値のある「人生への投資」だと思うのですが、いかがでしょうか。
会社勤めの間は自分のやりたいことを我慢してきた人も多いでしょう。もし、そのやりたいことが「投資」であるなら、挑戦してみるのもいいかもしれません。しかし、そうではないのなら、「全国を歩いて花の写真を撮りたい」「鉄道模型を心ゆくまで作りたい」「思い切りゲームを楽しみたい」といった夢に時間を使う方が、よほど充実した人生を送れるはずです。
人間はいつか必ず人生の終わりを迎えます。その時に「ああ、いい人生だった」と思えることこそが人生の理想なのではないでしょうか。そう考えれば、投資の数字に一喜一憂して寿命を縮めるより、自分の好きなことに没頭する時間を大切にした方が幸せではないでしょうか。投資が生きがいだという人ならともかく、そうでないのなら、無理に投資をする必要はないのです。


