女優 中嶋朋子
東京都生まれ。国民的テレビドラマと呼ばれた「北の国から」で22年にわたり、螢役を務める。以後、映画、舞台へも活躍の場を広げ、実力派として高い評価を得る。朗読、執筆、講演でも独特の感性を発揮。2009年、舞台「ヘンリー六世」のマーガレット役で、第44回紀伊國屋演劇賞個人賞、第17回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。14年1月13~26日まで新国立劇場小劇場で行われる舞台「Tribes(トライブス)」に出演するほか、1月25日公開の映画「小さいおうち」に出演。
私にとって、女優という仕事は「食」から入った、と言えるかもしれません。ドラマ「北の国から」に出演し始めた10歳のときから、北海道の旬を味わってきました。
撮影現場では、いつもご近所の農家の方々が差し入れをしてくださいました。夏なら例えばトウモロコシ。
「旬のものっておいしい」とか「塩だけでもおいしい」ということを、子供のうちから知ることができたのは大きかったですね。「旬のものをおいしくいただく」ことは、生きていく力だなと思っています。
息子にも旬のものを食べさせることは意識しています。「北の国から2002遺言」に一緒に出演した息子ももう15歳。「肉、肉、肉!」とガッツリしたものを食べたがりますが、彼も北海道で、畑から野菜をもいで食べることを体験しています。そのためか、いまだにトマトなどは丸かじりするのが好きなんです。キャベツもバリバリッて。ちょっと不思議です(笑)。
旬のおいしい北海道の食材が、シェフの技術でおしゃれに出てくるレストランが「ル ゴロワ」。まるで北海道の空気まで一緒にいただくような気分になります。数年前に倉本聰先生(「北の国から」の脚本家)に連れてきていただいて以来、通うようになりました。どれもこれもおいしくて、メニュー選びには苦悩します。