「これって認知症?」と感じたら…
認知症かどうか調べて欲しいんだけど、何科を受診したらいいのか分からない。そうおっしゃる患者さんは、かなりの数いらっしゃいます。実際、私のところにも「どこに行ったらいいか分からなかったんですが、先生のところでいいですか」といって、自ら認知症テストを受けにくる患者さんもおられます。
認知症が疑われる場合、まず、頼って欲しいのは「地域包括支援センター」です。地域包括支援センターは、認知症に限らず、要介護認定のことや、高齢者の健康、生活に関するあらゆる相談を受けつけてくれる公的機関です。市町村単位で設置されているところなので、お困りの際は、お近くのセンターに連絡をとってみるといいと思います。そこで、認知症を診察してくれる医療機関なども、紹介してくれるはずです。
そのほかにも、精神科に直接相談に行ってみるのもおすすめします。認知症は、脳と心が密接に関係している病気です。それこそ、私たち精神科医が専門としていることなので、診察や治療がスムーズに運び、便利なのです。
精神科を敬遠するのはバカげている
精神科はこわいですか? 日本ではまだまだ精神科に対する偏見が根強く残っていますよね。分かっています。
「私は月に1回、循環器内科で診察を受けてます」
「僕は定期的に精神科を受診しています」
これを、同じ人物の口からきかされたとき、同じリアクションで受け入れることができる人はまずいません。「精神科を受診している」という言葉に特異な感情を持つ人がほとんどでしょう。それどころか、物事を正しく理解しようとしない、偏狭な考えの持ち主なら、顔をしかめてしまうかも知れません。
これは、非常に残念なことです。私は、著書の中で、精神科に行くことの大切さをたびたび訴えています。あらゆることには、対処法や治療法があるものです。行けば楽になり、病気が治ったり、進行を遅らせることができるのに、精神科だからと敬遠してしまうなんて、バカげています。治せるものは治したほうがいいに決まっています。
昨今、精神科へのハードルは下がってきています。いまこそ、精神科医に相談するときなのです。専門家の知識は伊達ではないところをお見せできると思います。
