皇居をぐるりと1周すると約5km。信号がなく、景色も抜群で、休日にはランナーや観光客、散歩する人など約1万人でごった返す。スポーツライターの酒井政人さんは「最近SNS上で『皇居ランを禁止にしてほしい』という意見が挙がっている。特に迷惑をかけているのは5つの典型的なタイプがある」という――。
ランニングをする人たちの足元
写真=iStock.com/Liudmila Chernetska
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多い日は1万人がごった返す

東京を代表するランニングスポットである「皇居」周辺がザワついている。皇居周辺の歩道が、あたかも「ランニングコース」のようになっていることが問題視されているのだ。SNS上では「皇居ランを禁止にしてほしい」といった厳しい意見も見受けられる。

皇居の周回コースは一周約5km。信号待ちがなく、適度なアップダウンがあり、景色も素晴らしい。特に半蔵門からの下りで見える皇居のお堀と丸の内のビル群の夜景は格別だ。アクセスも抜群で、周辺にはシャワーやロッカーを備えたランニングステーションも多い。

本格的なランナーにとっては日常的なトレーニング場所であり、地方のランナーや初心者にとっては「一度は走ってみたい」場所でもある。そのため、多い日には1日のべ1万人ものランナーが通行することもある。

しかし、ランナーが増えたことで、歩行者との軋轢も生じている。そこで、皇居ランナーが特に避けるべき「ワースト5」を挙げ、この問題を考えてみたい。

「集団走」と「スピードランナー」の怖さ

●ワースト1:大人数での集団走

皇居ランで最も問題だと感じるのが、「大人数での集団走」だ。ランニングは、一人で走るより集団で走ったほうが一定のペースを維持しやすい。仲間がいることで、苦しい練習も頑張れる。しかし、それは陸上競技場や十分なスペースを確保できる場所での話だ。

皇居周辺には、通勤する人、散歩を楽しむ人、観光客、高齢者、子どもなど、さまざまな歩行者がいる。そこに10人、20人というランナーの集団がやって来たらどうだろう。ランナー側はひとつの集団として走っているだけでも、歩行者からすれば「大勢の人が自分に向かって走ってくる」ことになる。

さらに、前方に歩行者がいれば、集団が左右に分かれて追い越したり、後方から別のランナーが追い越そうとしたりする。人数が増えるほど、他者の行動を予測することも難しくなる。

皇居外苑の団体利用では、20人以上の場合に手続きが必要となり、「公園利用者、一般通行人等の利用及び通行の妨げになるような走行」は禁止されている。

そもそも大人数で走る場合、「自分たちは安全に走れるか」ではなく、「周囲の人たちが安心して通行できるか」を考えるべきだろう。