初期なら「高度な知的作業」も可能

都会に住んでいる患者さんだと、これまでできていたことを、認知症だからとやめさせられるケースがよくあります。これがよくない。田舎のほうだと、多少ボケていたとしても、稲刈りができている間はやらせるし、熊撃ちの名手には、猟銃の仕事をしてもらうでしょう。老人をこき使うと思いますか? それでも、そのほうが、脳にとっても身体にとっても、圧倒的にいいのです。

認知症とは不思議な病気で「5分前のこと」は忘れてしまうのに、いま、相手がしている話の内容を理解することはできます。そのため、認知症が進んでいるかたでも、正常な会話ができることも、往々にしてあるのです。

初期の認知症なら、ほぼ全員が元のレベルの会話が可能です。これは、記憶障害があっても、知能自体は、保たれているケースが多いからです。もっというと、もともと知能が高いかたの場合は、認知症になっても、初期であれば、かなり高度な知的作業もできることが分かっています。それこそ、大統領でもできるくらいです。