証明できないケースは稀、継続調査も
一方で、ごくごく稀に異常の原因が突き止められない物件があるという。
今回、取材で同行させていただいた千葉県某所にある戸建ても、その稀有なケースの事故物件だ。
「元住人は、脳の病気で半身不随となり車椅子状態だった80代の母親と、60代の息子。母親が室内で自ら命を絶ち、その数年後に息子が孤独死したという物件です」
この物件ではいくつかの奇妙な現象が起こっている。天井からまるで人間が歩いているような音が響いたり、棚のガラス窓に映るはずのない人影が見えたりしたほか、テレビ取材が入った際にカメラのデータに複数の不具合が起きたそう。いずれも原因は不明のままとのこと。
カチモードではこのようなレアケースの場合、その物件を借り上げ、継続して調査を行っている。期間中はオーナーと相談のうえ、基本的に事故が起きる前の家賃相当の金額を支払い、定期的に通って経過を見るという。
「とても稀少価値の高い部屋になるはず」
現在、この千葉の戸建て物件はもう異常が起こらなくなっているというが、もし今後、原因不明の謎の現象が起こり続ける物件が出てくるとしたら、児玉さんは「とても稀少価値の高い部屋になるはず」と確信している。
「不思議なことが本当に起こるなら、それはそれで世界中から注目されて、家賃減額なんて跳ね返せるほど利益を生み出せるはずですから。異常現象に再現性があり、危険性がないということを証明してからではあるんですが、怖いもの好きな人々向けに貸し出すことも一案ですよね。たとえるなら、動物園じゃなく、サバンナでテントを張って泊ってください、というような感覚に近いイベント事業にできる。オバケが出るかもしれないし、出ないかもしれない。でも出たとしたらそれは本物。そんな唯一無二の体験価値が作れる物件になるのではないでしょうか」
オバケがいないと証明するのが仕事だが、異常現象の原因が解明できないなら、それを物件の大きなバリューに変えていくプランもあるということか。あらゆる方向性で物件の価値を取り戻したいという思いの裏には、児玉さんが事故物件と向き合い続けた長い歴史があった。



