「東京でもう一回やり直してみたら?」

退職後、安藤さんは地元に戻った。

間もなくゴールデンウィークが始まり、実家には親戚が集まった。安藤さんは、1カ月で仕事をやめてしまったという負い目があり、親戚と顔を合わせるのが嫌でたまらなかった。だが、父親に言われて渋々顔を出す。すると、すでに父親から聞いていたらしく、退職理由について親戚たちから集中砲火に遭う。

「このとき、親戚に発達障害のことまで伝えたかどうかは覚えていないのですが、両親には学生時代に診断を受けたことは伝えました。父は、『病院に行けば何かしら診断されるのは当たり前、そんなことを気にしても意味がない。仕事は慣れ。慣れればできるようになる』というような言葉を繰り返すだけで、全く聞く耳を持たれず、『頑固で話にならない』と思ったと同時に、理解してもらえないことにがっかりました」