※本稿は、湊口信也『果物野菜で100歳を生きる』(さくら舎)の一部を再編集したものです。
世界が注目するスーパーフード
海藻といえば、海苔、ワカメ、コンブ、ヒジキ、モズクなどが日本では馴染み深いですが、海藻は伝統的に、日本、中国、韓国、台湾、東南アジアなどを中心にして消費されてきました。海藻は一般的には海の野菜といわれ、野菜と同じような健康効果があると考えられています。
最近では海藻の持つ心血管病予防作用や長寿への効果の期待から、日本、中国、韓国、台湾、東南アジアだけではなく、西洋諸国でも食事の中に取り入れられるようになってきています。海藻の種類には、緑藻、褐藻、紅藻などの種類があります。
これらの海藻の中でも、食用にされる海藻には、緑藻は、アオサ(天ぷら、汁物)、ウミブドウ(酢の物、サラダ)、ミル(サラダ、キムチ)などがあります。褐藻はコンブ(寿司、煮物、サラダ)、ワカメ(みそ汁、サラダ)、ヒジキ(煮物)、モズク(酢の物)、アカモク(とろろ、炒め物)、アラメ(炒め物、佃煮)などがあります。
紅藻では、まずは海苔が挙げられますが、他にはテングサ(寒天の原料)、トサカノリ(刺身のつま、海藻サラダ)、エゴノリ(煮物)、フノリ(酢の物、和え物、汁物、炒め物、サラダ)などがあります。これらは、よく食卓に上がる馴染み深い代表的な海藻です。
心臓病や脳卒中を遠ざける成分
海藻は低脂肪であり、高ポリサッカライド、繊維、多価不飽和脂肪酸などの健康的な栄養素を含み、さらに、ミネラル、ビタミン(ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE)、機能性成分、カロテノイド、フィコビリン、ステロール、トコフェロール、ポリフェノール、クロロフィル、フィコシアニンなどが含まれているため、健康増進、慢性疾患や心血管病の予防に寄与していると考えられています。
海藻に含まれている成分で明らかな効果が実験医学的に証明されている代表的な成分について以下に述べますが、これらの成分はいずれも血管内皮細胞に対して保護的に働いて、脳心腎疾患の予防や治療に役立つ作用を有していると報告されています※1。
※1 Yamagata K. Prevention of cardiovascular disease through modulation of endothelial cell function by dietary seaweed intake. Phytomedicine Plus 1:100026, 2021
フコイダン:フコイダンはモズクなどの紅藻に含まれるポリサッカライドであり、中性脂肪、総コレステロール、悪玉コレステロールを下げて、善玉コレステロールを上げる作用があり、動脈硬化を防ぐ作用があります。また、抗炎症作用、抗凝固作用、抗血管増殖作用、抗接着作用などを介する腫瘍転移を抑制する作用があります。
また、フコイダンは組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)を遊離することから血栓溶解作用があるため、血栓形成による動脈硬化、脳卒中、冠動脈疾患の予防につながります。

