※本稿は、湊口信也『果物野菜で100歳を生きる』(さくら舎)の一部を再編集したものです。
野菜の苦味や香りが体を守るバリアになる
ファイトケミカルとはあまり馴染みのない言葉ですが、植物にとって有害な紫外線や昆虫から身を守るための色素、香り、辛味、ネバネバなどの成分のことをいいます。ファイトケミカルの種類はポリフェノール(フラボノイド系)、カロテノイド、含硫化合物があり、さまざまな果物野菜に含まれています※図表1。
ポリフェノール(フラボノイド系)は、ブルーベリー、ブドウ、大豆、セロリ、パセリ、ピーマン、緑茶、カカオ、果実類、ブロッコリー、タマネギ、柑橘類の果皮などに多く含まれます。カロテノイドは、ニンジン、カボチャ、トマト、ミカン、ホウレン草、スイカ、ブロッコリー、とうもろこし、桃などに含まれます。
含硫化合物は、ダイコン、ワサビ、タマネギ、キャベツなどに含まれています。
ファイトケミカルの作用として、ポリフェノールは、抗酸化作用、抗動脈硬化作用、糖尿病予防、肥満予防、骨粗鬆症<ルビ:こつそそうしょう>予防、認知症予防であり、カロテノイドは、抗酸化作用、老化防止、免疫機能維持、血管系疾患予防、目の健康、骨密度維持、癌の予防、皮膚や粘膜の健康保持作用であり、含硫化合物は、抗酸化作用、殺菌作用、血栓溶解作用、血液循環促進作用、食中毒予防、動脈硬化予防などが報告されています※1。
さらに、果物野菜摂取には、これら以外に未だ明らかになっていない臓器保護作用を有している可能性も否定はできません。
※1 Yang Y et al. Health Benefits and Future Research of Phytochemicals: A Literature Review. J Nutr 155: 87-101, 2025
リンゴとタマネギが血圧ケアに効く理由
ファイトケミカルは心血管病の予防や治療に効果があることは多くの臨床試験、メタ解析や疫学的研究によって明らかにされています。
ファイトケミカルの中でも心血管病の予防や治療に特に効果のあるものは、ポリフェノール(フラボノイド系:ケルセチン、カテキン、アントシアニン、非フラボノイド系:レスベラトロール、クルクミン)、カロテノイド(リコペン、ベータカロテン、ルテイン)、グルコシノレート(スルフォラファン、インドール3カルビノール)、サポニン、タンニンなどが挙げられますが、これらは、抗酸化作用、抗炎症作用、内膜細胞機能改善作用、脂質改善作用、血小板凝集抑制作用、血圧低下作用などを有しており、心血管系の健康保持作用が強いと報告されています※2。
※2 Alum EU. Role of phytochemicals in cardiovascular disease management: Insights into mechanisms, efficacy, and clinical application. Phytomedicine Plus 5, 100695, 2025
以下にこれらのファイトケミカルの特徴と作用を紹介いたします。
ポリフェノールは抗酸化作用、抗炎症作用、心臓保護作用を有します。ポリフェノールにはフラボノイド系と非フラボノイド系がありますが、その中のフラボノイド系にはケルセチン、カテキン、アントシアニンがあり、ケルセチンはリンゴ、タマネギ、ベリーに含まれ血圧低下作用、内皮機能改善作用、悪玉コレステロール酸化抑制作用があります。


