がんや肺炎のリスクを下げる食事のコツ

我々が行ったNOBUNAGA研究の結果、5年間経過観察した3210例の患者の中で、全死亡は110名であり、そのうち脳心腎疾患による死亡は33名で、それ以外の死亡は77名でした。

湊口信也『果物野菜で100歳を生きる』(さくら舎)
湊口信也『果物野菜で100歳を生きる』(さくら舎)

その中でも癌による死亡が36名、肺炎による死亡が17名と特に多かったのですが、果物野菜の持つファイトケミカルの作用を考えますと、ポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物の作用が、脳心腎疾患の動脈硬化性病変に対する抗動脈硬化作用はもちろんのこと、癌と肺炎に対しても抗炎症作用、免疫機能維持、殺菌作用、抗酸化作用、癌予防作用などの効果が発揮されます。

NOBUNAGA研究の結果で、1日尿中カリウム排泄量が少ない場合、すなわち、果物野菜の摂取が少ない場合には、脳心腎疾患のみならず癌と肺炎による死亡が多かったことをファイトケミカルの作用の恩恵を受けることができなかったためである可能性は否定できないのではないかと考えられます。

ファイトケミカルが大腸癌に対する抗癌作用を有するという報告※3や乳癌に対する抗癌作用を有するとの報告※4が認められています。

※3 Yang Y. et al. A comprehensive review of phytochemicals targeting macrophages for the regulation of colorectal cancer progression. Phytomedicine128: 155451, 2024
※4  Almilaibary A. Phyto-therapeutics as anti-cancer agents in breast cancer: pathway targeting and mechanistic elucidation. Saudi J Biol Sci 31: 103935, 2024

がん啓発のピンクリボンを掲げる女性
写真=iStock.com/Nattakorn Maneerat
※写真はイメージです

また、ファイトケミカルは、抗炎症作用や殺菌作用、免疫機能維持作用があることが報告されていますので、感染症に対する効果も期待できます※5

ファイトケミカルの中でも、ポリフェノール、イソチオシアネート、アルカロイド、カンナビノイド族などが、抗酸化作用、抗炎症作用、抗アミロイド作用などを認めているため、認知症に対してもファイトケミカルの予防効果や治療効果を期待できるのではないかとの報告も認められておりますが、実際の臨床試験での有効性については今後の臨床試験に期待されるところです※6

※5 Vieira A. A comparison of traditional anti-inflammation and anti-infection medicine plants with current evidence from biomedical research: Results from a regional study. Pharmacognosy Res 2: 293-295, 2010
※6 Libro R et al. Natural Phytochemicals in the Treatment and Prevention of Dementia: An Overview. Molecules 21, 518, 2016

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