日本企業が世界で勝つためには、どうすればいいのか。MIXI(ミクシィ)の写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」(以下「みてね」)が好調だ。利用者数は3000万人を突破し、このうち4割が海外のユーザー(2026年5月時点)。MIXI創業者で、同サービスを手掛ける笠原健治さんは「ちょっとした使い勝手にこだわる『日本人のきめ細やかさ』は、世界でも通用する」という。ノンフィクションライターの伊田欣司さんが取材した――。
GAFAにマネできない「日本発サービス」
「すごいアプリがあるんです」
編集部のIくんが差し出したスマホの画面に笑顔をふりまく赤ちゃんの写真が並んでいる。彼が昨年、二人目の子どもが生まれて育児休暇を取得したことを思い出した。
「おお、かわいい」
「アプリの話ですよ。『みてね』といって、国内ではママとパパの65%(※)が使っているそうです。もちろん、わが家でもみんな使っています」
子どもがいる家庭に限った話とはいえ、65%はたしかにすごい。
「ユーザー数は3000万人を突破してます。しかも海外の利用者が全体の約4割を占めているんですよ」
Iくんが興奮気味なのも無理はない。写真や動画の保存・管理といえば、グーグル・フォト、アイクラウド・フォト、アマゾン・フォトなどのGAFA勢が思い浮かぶ。規模の違いがあるとはいえ、日本のアプリが海外でがんばっている話はうれしい。ゲームや通信のほかで、グローバル市場で人気のスマホアプリは興味深い。
「発案者は、笠原健治さんです。あのmixiを生んだ」
「ああ、MIXIの創業者」
「しかも、写真を共有するアプリなのに『いいね』ボタンがないんです」
子どもの写真を見て「いいね」できないのは、はたして便利なのか不便なのか……いまいちわからない。ほかにも気になることは山ほどある。
「これはもう話を聞きにいくしかないですね」
私たちは渋谷駅近くにあるMIXIのオフィスを訪ねた。
※2024年12月時点


