開発のきっかけは「イライラ」だった
「みてね」は、写真や動画を共有するアプリで、招待された人だけが閲覧できるというもの。ママとパパが子どもの写真を撮影し、離れたところに住むおばあちゃんやおじいちゃんが楽しみにアプリを開く、といった使い方だ。2015年にサービスを開始して、現在は世界175の国と地域、7言語で展開されている。
発案者であり事業責任者の笠原健治氏は、自身の体験からこのアプリを発想した。長女が2013年に生まれたのがきっかけだ。笠原氏も当初は既存のクラウドサービスを使って、親たちと写真や動画を共有していた。だが、半年もしないうちにイライラが募りだしたという。
「クラウド系のサービスは、第一義的にはバックアップ用としてつくられています。だから写真や動画を共有するための操作画面が使いづらい。誰が見たのかもわからないし、動画の再生もすごく遅い。しかも画質が悪くて気持ちが萎える。作業負担の割に得られるものが小さいと思いました」
「全盛期のmixi」を超えるユーザー数
笠原氏は長女が生まれて「自分でも驚くほどたくさん撮影した」という。祖父母たちもパソコンやスマホで見られるように、週に一度、写真と動画を選んでクラウドのフォルダにアップロードした。しかし、だんだん毎週の繰り返しが苦痛になってきた。
「どうにも使い勝手がよくなかったんです。そもそも選んでアップロードするということは、捨てる写真や動画がある。どれがいいなんて選べないですよ。親の気持ちにもっと寄り添うサービスがあってもいいじゃないか……という思いが募っていきました」
こうして生まれた「みてね」は、いまや世界累計ユーザー数で3000万人を突破。これはSNS「mixi」ピーク時の約2700万人を上回る数字だ。海外比率は約4割と高い。
なぜ、日本発のサービスがグローバルに広がったのか。理由は、きめ細やかなサービスの設計がユーザー満足度を高めたことにあった。


