mixi、モンストに続く「第三のヒット」
正式リリースから11年目の今年、「みてね」は待望の黒字化を果たした。同社にとって、mixi、モンストに続く「第三のヒット」になりつつある。地道な改善を積み重ね、ユーザーが増えつづけてきた結果だ。
「じわっと上がったのが特徴です。今後10年で1億超のユーザーを目指したい」
目標は数字だけではない。笠原氏が見据えているのは、もっと長い時間軸だ。
「世界中の家族が深く結びつくような“心のインフラ”にしたいですね」
その言葉通り、「みてね」が預かる家族の記憶は、新たなフェーズへと向かおうとしている。
「スタート時に撮影された0歳児の子どもは、もうすぐ中学生になります。十数年たてば親になる人もいるでしょう。『みてね』が親子二代を記録することになる。子育て中に自分自身がどう育ててもらったか思い返す親は多いと思いますが、たとえば、親と子で同じ月齢の写真を並べる機能などをつけても面白いかもしれない。これから楽しみです」
はじめは“いま”の共有だった写真や動画が、やがて「記憶をたどる」ためのよすがになる。
「年月がたてば、新しい使い方が出てくるし、新しい機能もつく。価値はどんどん高まると思っています」
「現場」に戻った起業家が進む道
当然、AIの進化も視野に入れている。写真の整理や思い出のたどり方が大きく変わっていく可能性がある。
「パソコンの登場、スマホの登場で世の中は大きく変わりました。家族関係、友人関係にも影響しています。AIが生みだす変化は、過去一の影響があるかもしれません」
家族のつながりは、いつの時代も失われない。ただ、新しいツールが家族の関係に変化をもたらすことは間違いない。よりよい関係へと進むツールが求められる。
笠原氏は2013年6月に代表取締役社長を退任し、取締役会長となった。37歳のときだ。ビジネスの現場に戻り、新規事業の立ち上げに専念。そして誕生したのが「みてね」だった。2021年6月には会長も退任し、現在は取締役ファウンダー・上級執行役員の立場だ。「みてね」のほかに会話AIロボット「Romi(ロミィ)」、新SNS「mixi2」の事業も進める。
「上場企業の経営も10年以上経験し、自分はプロデューサーに向いているとよくわかりました。実はいまが一番楽しく仕事をしているかもしれません」
グローバルな構想を描く起業家の目は10年後、20年後を見据えている。



