クレーマーにはどう対応したらいいのか。元JALのCAで『気づかいの神さま』(PHP研究所)を上梓した香山万由理さんは「CAたちは『申し訳ございません』という言葉を、2段階で使い分けている」という――。
乗客の対応をする飛行機の客室乗務員
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安易な「申し訳ございません」は要注意

クレームと聞くと、できれば避けたいものだと感じる方も多いと思います。

ですが実際には、クレームには必ず理由があります。そして、その理由を受け取らないまま「申し訳ございません」とだけ伝えてしまうと、かえって相手の感情を強めてしまうこともあります。

多くの人は、不満があっても飲み込みます。それでもあえて言葉にしているということは、それだけ強い思いがあるということです。

たとえば、機内で「少し眠ろう」と思っていた方が、近くの席の赤ちゃんの泣き声で眠れなかったとします。赤ちゃんが泣くのは自然なことだと、頭ではわかっている。それでも、やっと休めると思っていた時間が叶わなかったとき、人は感情の行き場を失います。

誰が悪いわけでもない。それでも生まれてしまった“不快な気持ち”が、クレームという形で表に出てくるのです。

クレーマーの怒りを逆なでする謝り方

クレームを受けたとき、まず大切なのは、言いにくいことを伝えてくださったことへの受け止めです。思いを途中で遮らず、最後まで聞く。その姿勢が、何よりも求められます。

そのうえで、多くの人がすぐに口にするのが「申し訳ございません」という言葉です。

もちろん、間違いではありません。ただ、この一言だけでは、何に対して謝っているのかが伝わらないことがあります。

ここが曖昧なままだと、相手には「とりあえず謝っているだけなのではないか」と受け取られてしまいます。その瞬間、怒りはおさまるどころか、むしろ強くなってしまうことがあるのです。