2段階の「申し訳ございません」を使い分け
こうしたすれ違いを防ぐために、CAは謝罪を分けて考えています。まず向き合うのは、相手の“気持ち”です。
「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」
これは、起きた出来事の如何ではなく、その人の中に生まれた“気持ち”に寄り添うための言葉です。
そのうえで、「詳しくお聞かせいただけますか」と状況を丁寧に伺い、こちらに改善すべき点があれば、改めて“事実”に対してお詫びをします。
つまり、
・ 気持ちへの謝罪
・ 事実への謝罪
この順番で向き合うことが大切なのです。
さらに、「貴重なご意見をありがとうございます」と感謝の言葉を添えることで、相手は「きちんと受け止めてもらえた」と感じるようになります。人は、自分の気持ちが理解されたと感じたとき、自然と落ち着いていくものです。
クレーマーを一瞬で笑顔にする伝説のCA
私がCA時代に出会った先輩に、どんなクレームでも不思議と場を落ち着かせてしまう方がいました。
強い口調でお怒りになっているお客様に、その先輩が対応に入ると、少しずつ表情をゆるめ、最後には穏やかに会話をされるようになるのです。
どうしたらお客様のお気持ちを穏やかにすることができるのだろうと気になり、あるとき、そのやり取りを間近で見させてもらいました。
先輩はまず、お客様の前で腰を落とし、静かに目線を下げ、「大変申し訳ございません」とお伝えしました。そしてすぐに、こう続けました。
「言いづらいことをお伝えくださり、ありがとうございます。お客様のお話を詳しくお聞かせいただけますか」
特別な言葉ではありません。けれど、そのひと言と姿勢に、「あなたを受け止めています」という意思がはっきりと表れていました。

