好印象を与える人はどういう行動をしているのか。元JALのCAで新刊『気づかいの神さま』(PHP研究所)を上梓した香山万由理さんは「スマートな乗客はコミュニケーションが上手で、周囲の空気をやわらかくするさりげない一言を口にしている」という――。
飛行機の座席
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リクライニングの動作に表れる気づかい

機内での振る舞いは、ほんの些細な所作にその人の印象が表れます。

たとえば、リクライニングシートを倒す場面です。後方の方へひと声かけるかどうか。それだけの違いで、空間の空気は大きく変わります。

何も言わずにシートが倒れてくると、後ろの方にとっては“予測できない出来事”になります。それは単なる動作ではなく、「配慮されていない」という印象として残ってしまうこともあるのです。

たとえば、飲み物に手を伸ばした瞬間にシートが倒れてきたら、驚きとともにカップを落としてしまうかもしれません。けれど、その前に一言あれば、その出来事は防げた可能性があります。

なお、リクライニングの際に声をかけるべきかどうかについては、近年さまざまな意見があります。

「倒すことは当然の権利」とする考え方もあれば、「ひと声かけるのが配慮」とする意見もあります。どちらが正しいと一概に言い切ることはできません。ただ一つ言えるのは、その行動が相手にどのような印象を与えるか、という視点です。

機内という限られた空間では、わずかなコミュニケーションが、互いの時間の質を大きく左右します。ほんの一言を添えることで、空気はやわらぎ、その時間はより心地よいものへと変わっていきます。だからこそ、“たった一言”には、思っている以上の価値があるのです。