本当に評判がいいビジネス書はどんな本か。グロービス経営大学院とフライヤーは2月、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2026」を発表した。その結果を紹介しよう――。
ジムでトレッドミルで運動する人々
写真=iStock.com/Nicola Katie
※写真はイメージです

「読者が選ぶビジネス書グランプリ2026」受賞作

総合グランプリ:『億までの人 億からの人』(田中渓著、徳間書店)

イノベーション部門賞:『1つの習慣』(横山直宏著、すばる舎)

マネジメント部門賞:『冒険する組織のつくりかた――「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』(安斎勇樹著、テオリア)
※本書はflierには掲載されておりません。

経済・マネー部門賞:『億までの人 億からの人』(田中渓著、徳間書店)

自己啓発部門賞:『科学的に証明された すごい習慣大百科』(堀田秀吾著、SBクリエイティブ)

リベラルアーツ部門賞:『お金の不安という幻想』(田内学著、朝日新聞出版)

ビジネス実務部門賞:『人は話し方が9割 2』(永松茂久著、すばる舎)

<特別賞>ロングセラー賞:『【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長著、朝日新聞出版)

<特別賞>グロービス経営大学院賞:『アフターAI』(シバタナオキ著、日経BP)

※「読者が選ぶビジネス書グランプリ」では、2024年12月から2025年11月の間に日本国内で刊行された書籍を対象に、読者による投票を行った。また、2014年12月から2024年11月の間に日本で刊行された書籍を対象に、ビジネスパーソンが「この1年で特に注目を集めた」と考える書籍に投票する「特別賞 ロングセラー賞」も実施している。エントリーした書籍は全133冊。出版社がエントリーした書籍に加え、グロービス経営大学院・flier(フライヤー)・協力各社が選んだ書籍がエントリーしている。

「億からの人」は勝ち癖を身につけている

総合グランプリと経済・マネー部門賞をダブル受賞したのは『億までの人 億からの人』でした。著者の田中渓さんは、ゴールドマン・サックスで17年間にわたって活躍し、「兆円」規模の資産家や海外の王族など、300人以上の超富裕層と交流してきた人物です。本書では、その豊富な経験をもとに、「億からの人」に共通するマインドセットや行動習慣が紹介されています。

田中渓『億までの人 億からの人』(徳間書店)
田中渓『億までの人 億からの人』(徳間書店)

特に印象的なのは、多くの富裕層がROI(投資対効果)を基準に「やること」を厳選し、小さな成功体験を積み重ねることで「勝ち癖」を身につけているという点です。

その考え方を最もわかりやすく示しているのが、田中さん自身のエピソードでしょう。運動習慣を身につけようとした際、田中さんはまず「継続できない可能性が高いもの」を徹底的に排除しました。例えば、ジムのクラスは時間の自由度が低く続けにくい、ダンスは環境的に不向き――そうした理由で選択肢から外したそうです。

その結果、残ったのがランニング、自転車、水泳。最初は15分という小さな負荷から始め、徐々に強度と時間を増やしていった結果、現在では毎朝3時45分に起床し、「25km走る」「60km自転車に乗る」「7000m泳ぐ」のいずれかを毎日こなす習慣にまで至っています。

ROIを基準にして「やること」を選び、日々コツコツと積み上げることで勝ち癖をつくって、自信を育てていく。そのプロセスは決して派手ではありませんが、だからこそ再現性が高く、誰もが今日から実践できる行動指針ではないでしょうか。