「話し下手」の原因は思い込み
ビジネス実務部門賞に輝いたのは、永松茂久さんの『人は話し方が9割 2』です。2019年に出版され、140万部を超える記録的ベストセラーになった『人は話し方が9割』の続編として、本書も引き続き多くの読者から支持を集めました。
本書と他の「話し方本」との最大の違いは、会話がうまくいかない原因を「スキル不足」ではなく「メンタル」にあると指摘している点です。
例えば、「自分は会話が苦手だ」と感じている人でも、家族や親しい友人との会話では、緊張せず自然に話せているはずです。また、大切な人を励ましたい、力になりたいと必死になっている場面では、無意識のうちに心に響く言葉をかけていることもあるでしょう。
それにもかかわらず、人前に立ったり、初対面の相手を前にしたりすると急に話せなくなってしまう――これは決してスキルが足りないからではありません。永松さんは、話し下手なのではなく、話し下手だと思い込んでいることこそが問題だと説きます。
この前提を踏まえたうえで本書を読み進めると、提案されているアドバイスの多くが、驚くほど実践しやすいことに気づきます。相手が喜ぶ話をする、ネガティブな言葉よりポジティブな言葉を選ぶ、相手の話に「感嘆→称賛→反復→共感→質問→感嘆」の順でリアクションする……どれも今日から試せて、会話をぐっとスムーズにしてくれそうなものばかりです。
「自分は話し下手だ」と思い込んでいる人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
「貯める力」を身につける第一歩は固定費の見直し
<特別賞>ロングセラー賞は、YouTuberの両@リベ大学長さんによる『改訂版 本当の自由を手に入れるお金の大学』でした。
本書は、2020年に刊行されて142万部を超える大ベストセラーとなった『本当の自由を手に入れるお金の大学』の改訂版として、2024年に発売されました。社会・経済環境の変化を踏まえて内容をアップデートするとともに、両@リベ大学長さんがコミュニティ運営を通じて得た「多くの人がつまずくポイント」も新たに反映されています。
本書の最大の特徴は、働かなくても生活できる「経済的自由」の実現を目指し、「貯める・増やす・稼ぐ・使う・守る」という5つの力を軸に、お金との付き合い方を体系的に整理している点。しかも、理論にとどまらず、誰でも実行できる具体的な行動レベルまで落とし込まれています。
例えば「貯める力」を身につける第一歩として挙げられるのが、固定費の見直しです。スマホを大手キャリアから格安SIMに切り替える、使っていないサブスクを解約する……こうした具体例が示されているため、読後すぐに行動に移しやすくなっています。
固定費を削減し、少しずつお金が貯まり始めたら、次に考えるべきはお金を「増やす」こと。経済的自由を手に入れるには、労働収入だけに頼るのではなく、資産を働かせる(=投資する)という発想が欠かせないと、両@リベ大学長さんは語ります。
難しい専門知識は最小限で、「今日から何をすればいいのか」が明確に示されている点が、本書が長く支持され続ける理由でしょう。「お金の勉強を始めたい」「将来に向けて行動したい」と思う人に最適の一冊です。


