戸羽 太(とば・ふとし)
岩手県陸前高田市長。1965年1月2日、神奈川県生まれ。米国留学、IT企業勤務ののち、東京都町田市から父の地元である陸前高田市へ移住。市議や副市長を経て2011年2月に初当選。わずか1カ月後に東日本大震災に直撃される。震災で亡くした妻との間に2男。

東日本大震災に見舞われたのは初当選からわずか1カ月後。慣らし運転もなしに、いきなり最大級の試練にさらされた。ユニークな書名は、「がんばろう」「がんばれよ」を意味する岩手県の方言「がんばっぺし」を何倍にも強調した、この人ならではの表現だ。

岩手県陸前高田市は、被災地の中でもとりわけ津波被害が大きかった町である。市役所も駅舎も美しかった高田松原も、海沿いにあったものはすべてなぎ倒された。戸羽さんの妻も大津波の犠牲者の一人だ。意気をくじかれそうな惨禍の中で、それでも市長は復興の陣頭指揮をとらなければならない。

(的野弘路=撮影)
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