体力に自信のない人が仕事で成果を出すには何をすればいいか。精神科医の和田秀樹さんは「向上心がある人は、『自分の限界点を引き上げたい』と思うかもしれないが、体力に自信がない人であれば、それは逆効果になる。自分の能力の限界点を知っておくことが重要だ」という――。

※本稿は、和田秀樹『体力がない人の仕事の戦略』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

腰痛で腰をおさえるビジネスマン
写真=iStock.com/Pixfly
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苦手な仕事ばかりが続くと負のスパイラルに

なるべく体力を使わずに効率よく仕事をするためには、苦手な仕事や不得意なタスクとの向き合い方が大事なカギを握ります。

戦略的に向き合うためには、自分の能力の「限界点」を知り、仕事の「ミス」の許容範囲を見極めることが、最適解を導き出すヒントになります。

【効率化の戦略①】
「やりたくない仕事」を明確にする

自分が苦手な仕事や、やりたくない仕事ばかりやっていると、モチベーションが上がらないだけでなく、ストレスが溜まってやる気まで低下します。

苦手な仕事ばかりが続くと、次第に仕事に対する意欲が薄れてきて、自分なりの工夫をしたり、新たな付加価値を生み出す努力を怠るようになってしまうのです。

先の記事で、上司から与えられた仕事は、無条件で安請け合いせず、自分でムリだと思うならば素直に断った方がいい……とお伝えしましたが、上司の顔色を気にして、やりたくない仕事と向き合っても、きちんと成果が出なければ上司の表情はすぐに不機嫌になります。

こうした事態に陥ることは、上司にとっても自分にとっても不幸です。

どんなに苦労しても、思ったほどの成果が出なかったり何も会社に貢献していないことで、徒労感ばかりが募ることになります。

これが、他のタスクが遅れてしまう原因にもなるのです。