就活や転職の面接で落とされてしまう人には、どんな特徴があるか。アナウンススクール代表の松下公子さんは「最近の若い世代の就活生は、妙に仰々しい言葉づかいをする傾向にある。就活生に聞いてみると、書類の作成から面接練習まで生成AIに相談している人が増えている。面接では出来るかぎり自分の言葉を使うべきだ」という――。
「仰々しい言葉」を連発する若者
「なぜこんなに仰々しい言い回しを使うのか――」
今、若い世代の就活生や転職希望者の面接練習で、そう感じる場面が増えてきています。
私が代表を務めるSTORYアナウンススクールの講師からも、こんな報告が届きました。ある日の模擬面接練習で、社会人1年目の転職志望者が自信を持ってこう話したそうです。
「地域の魅力を立体的に捉えて、多角的に発信していきます」
一見すると、とても意識が高く、優秀な話し方に感じます。
ですが実際には、「立体的に捉えて」「多角的に発信」と普段の会話では使わないような難しい表現が続いています。
そこで講師が質問しました。
「立体的に捉えて、多角的に発信って、具体的にどういうことですか?」
「あ、はい……いろんな方向で……」
言葉を探しながらタジタジしてしまい、曖昧な答えしか返ってこなかったそうです。
立派な表現を使っているけれど、質問ひとつで崩れてしまう――。これが今、若い世代の面接現場で増えている話し方の課題なのです。

