米国と日本は世界の中でも若い政治家がもっとも少ない国

このように世界の主要政治家が高齢なのは、たまたまの例外的な事態なのであろうか。それとも政治家が全体として高齢化しているからなのであろうか。

この点を確かめるため、図表2には、各国の国会議員の若年比率のランキングを掲げた。以下では政治家の若さが国会議員の若さで示されているものとみなすこととする。

OECD諸国の中で40歳以下の若い政治家が最も多いのはメキシコの39.3%であり、最も少ないのはポルトガルの3.7%である。両国には10倍もの開きがある。OECD平均は22.8%である。

バイデン大統領の米国は6.7%であり、日本の6.0%とどっこいどっこいの低さである。米国と日本は世界の中でも若い政治家がもっとも少ない国である点が印象的である。

政治家を選ぶ有権者の年齢の若さについても図にオレンジの点グラフで示した。有権者の若さと政治家の若さとを比べると、おおまかに言えば、有権者が若ければ、政治家も若いという傾向は認められる。典型的なのは日本だ。有権者の若年比率が25.3%と世界一低く、政治家の若年比率も6.0%と世界第2位の低さである。

もっとも、政治家の若年比率の低い国々は、有権者の若年比率の低さとは、それほどリンクしていない傾向も認められる。トルコ、イスラエル、米国では、有権者はけっこう若いのに若い政治家は少ないのである。

バイデン米国大統領が高齢である要因の1つは、米国では有権者は若いのに政治家は高齢である傾向があるからと言ってもよかろう。米国においては、日本と同様、政治の世界で発言権を獲得するには年齢を重ねキャリアを積む必要があるのであろう。