相手を尊重することで、結局は自分も尊重される

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが唱えた有名な欲求段階理論では、下から「生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求(所属と愛の欲求)、承認(尊重)の欲求、自己実現の欲求」がありますが、コミュニケーションで良好な人間関係を築くその先の目的は、社会的欲求(所属と愛の欲求)と、その上の承認の欲求、そして自己実現の欲求でしょう。

ですから、まずは社会的欲求(所属と愛の欲求)を満たすために、人は友情関係や家族関係、恋愛関係といった社会的な繫がりを形成することで幸福感を得ようとします。

小林音子『アメリカの中高生が学んでいる話し方の授業』(SBクリエイティブ)

このことは同時にストレスを軽減し、精神的な支えを得ることでもあります。愚痴を聞いてもらったり、悩みを相談したり、知恵を借りたりできるようになるのです。

好印象な挨拶は良好なコミュニケーションの出発点です。

挨拶を意識的に「お願い」と捉えることで、相手への尊重が生まれます。

打算的にコミュニケーションを取りなさい、と言っているのではありません。よりよい人生を送るためには、コミュニケーションの相手を尊重することが不可欠です。

そうすることで、結局は自分も尊重されるのです。

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