会話上手になるためにはどうすればいいのか。コミュニケーションコーチの小林音子さんは「『尊敬させよう』『信頼させよう』とすると、相手はコントロールされることを感じ取り、嫌悪感を持ってしまう。自己中心のマインドに自覚的になることが好かれるコミュニケーションのための第一歩だ」という――。
※本稿は、小林音子『アメリカの中高生が学んでいる話し方の授業』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
嫌われてしまう原因は「自己中心のマインド」
「自己中心のマインド」を持っていると、それは特に非言語表現に滲み出てしまい、相手にネガティブな印象を与えます。自分のマインドを隠そうと、きれいな言葉で取り繕ったとしても、その試みは相手に伝わってしまい、余計に嫌悪感として人に映ります。
それが無自覚に潜んでいる場合は、いくらきれいな言葉を並べても、その印象をごまかすのは難しいでしょう。「自己中心のマインド」は無自覚だからこそ恐ろしいのです。
「自己中心のマインド」があることについて指摘しても、多くの人は「まさか誰かをコントロールしようだなんて思っていませんよ」と言います。しかし、そう人に映っているときのほとんどは「自己中心のマインド」が必ずあなたの中にあります。
「自己中心のマインド」がないのではなく、あなたの中に確実にあるのに、その気持ちが微細(ミクロ)すぎて気がついていないことが多いのです。ですから、まずは自分の中にある「微細な気持ち」に注意を払い、自覚的になりましょう。
そして、その自覚した「自己中心のマインド」を、自分を尊重しながら「相手中心のマインド」に変えていくのです。
目指すは、アサーティブマインドです。これはアメリカのコミュニケーションで重視されていることで、「自分も相手も大切にする」ことです。その方法をお伝えしていきます。
自己中心のマインドは「承認欲求」に由来する
それでは「自己中心のマインド」とは何に由来するのでしょうか。それは承認欲求に由来します。承認欲求とは、自分のことを存在価値があると肯定したい、他者から認められたいという願望です。
・尊敬されたい
・好かれたい
・賢いと思われたい
・才能があると思われたい
・面白いと思われたい
・信頼されたい
・理解されたい
・仕事ができると思われたい
・良い人だと思われたい
・誠実だと思われたい
・支持されたい
・センスがいいと思われたい
・気が利く人だと思われたい
・人間的に器が大きいと思われたい
・優しいと思われたい
・自己中心でいたい
・価値があると思われたい
・好かれたい
・賢いと思われたい
・才能があると思われたい
・面白いと思われたい
・信頼されたい
・理解されたい
・仕事ができると思われたい
・良い人だと思われたい
・誠実だと思われたい
・支持されたい
・センスがいいと思われたい
・気が利く人だと思われたい
・人間的に器が大きいと思われたい
・優しいと思われたい
・自己中心でいたい
・価値があると思われたい
こういった欲求が承認欲求です。