「熱意でゴリ押し」でうまくいった人を見たことがない
僕は、熱意という武器1本でうまくいっている人を見たことがありません。体育会系の業界など、僕の知らない世界ではあるのかもしれないですけど……。
すでに実績がある人が「これを本気でやるんだ」と言うのであれば、説得力がありますよね。たとえば、孫正義さんが「全然説明できないけど、これ本気でやろうと思うんだよ」と言えば、「じゃあ、なんとかなるか」と、多くの人が思うでしょう。また、すでに関係性ができている相手であれば、熱意だけでも話を聞いてくれると思います。
でも、なんの実績もない人が「熱意で成功させます」と言っても、その話を信用することはできません。下手をすると、おかしな宗教や詐欺にしか認識されないでしょう。
必要なのは、「客観的な材料+熱意」にすることです。材料が全然ないのに熱意だけだと、相手には響きにくいんです。実績が足りなくても、客観的に見て「これはうまくいく可能性がある」というエビデンスを用意する。そのうえでの熱意だったら効果はあると思います。
そこには「相手にされない原因」がある
そもそも、「うまくいかないから熱意で」というのが、おかしいんです。
断られた時は、「押しが弱かったんだ」と思ってやみくもに相手に食らいつくのではなく、「何で相手にされないのだろうか?」と冷静に振り返り、その原因に手をつけていくのが、第一歩です。
もちろん、日産の子会社にトヨタの車を売りに行くみたいに、100%相手が断るだろう場合は、無理だと思うんです。
でも、そういうことではなくて、「今時点ではいらない」とか、「他社製品を買ったばかりなんだ」という理由で断られたのだったら、「3年後の入れ替えの時にどうですか?」とか「うちは、その商品だけじゃなくて別の商品もあるんです」みたいな話ができますよね。
そもそも、本当に相手にされない人だったら、アポすら取れないと思います。アポが取れている時点で、相手は何かしらの価値を感じているのでしょうから、あきらめる必要はなく、できることがいろいろとあるのだと思うんです。
「商品が高すぎるよ」と言われても、「安いプランもあります」とか、「今世の中にある製品だとたぶん3年ぐらいしか持たないけど、弊社のものは10年持ちます」とか、別の魅力を説明できるとよいでしょう。