※本稿は、西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)の一部に加筆したものです。
有名な例題「エレベーターが遅い問題」
目の前で問題が起きたとき、あなたならまず何をするでしょうか?
問題を解決するときに最初にすべきなのは、どこが問題点なのかを見極めることです。この問題点の見極めが案外難しくて、問題の本質を見誤ったために間違った解決策を実行してしまったという例は世の中にたくさんあります。
「問題点を見極める」のが大事なことがよくわかる、有名なエピソードがあります。
ある古いオフィスビルで、テナントに入っている企業やビルの利用者から「エレベーターが遅い!」というクレームが増えて問題になっていました。エレベーターは2台あるのですが、どちらも制御システムが古くて、昇降スピードも遅いので、待ち時間が長いというクレームです。
さて、あなたがオーナーなら、この問題をどうやって解決するでしょうか?
まず思いつくのは、
・高層階用と低層階用に分ける
・最新の制御システムに取り換える
・エレベーターの台数を増やす
といった解決策でしょう。
このビルのオーナーも、専門家に調べてもらったところ、こうした解決策を提案されました。でも、いずれも費用がかかりすぎて、このビルの賃料収入ではムリでした。
その間もクレームはなくならず、困りはてたオーナーは部下にアイデアを出させます。
そして、そのアイデアを採用したところ、最小限の費用でクレームは1件もなくなりました。
いったいどんな方法をとったのでしょうか?