2.真にデキる人は安易に資料を作らない

仕事がデキる人のイメージの一つといえば、美しい資料を作ることでしょうか。たしかに美しい資料をテキパキ作り上げると、周りからはデキる人と見られるかもしれません。しかし、それだけで本当に仕事がデキると言っていいのでしょうか? これについて私は外資コンサル時代から少々思うところがありました。確かに資料は美しいに越したことはないけど、資料と成果は別の話なんじゃないかと。実際リアルな経営を通じて分かったのは、真にデキる人はそもそも安易に資料を作らない、ということでした。

資料を作ること自体を否定しているわけではありません。ただ、資料作成には多少なりとも時間がかかります。であれば資料作成に凝りすぎるよりも、伝えることそのものに注力する方が実利的ですし、時間を無駄にしません。

図表作成=筆者

たとえば視覚的に加工していないExcel生データを用いて立ち話で説明するのでもいいですし、もっと言えば、PowerPointのテンプレや過去資料を流用すれば、それで事足りてしまうシーンが世の中には多々あります。実際、アメリカなどでは著名な起業家がレストランの紙ナフキンになぐり書きでアイデアをまとめ、それを基に投資や提携の交渉を進めたという逸話は枚挙にいとまがありません。

大切なのは資料に書かれている中身です。心当たりがある人は、いま一度資料を作ること自体が仕事になっていないか、見直してみてはいかがでしょうか。

3.真にデキる人はフォーマルな会議で議論しない

最近では「会議は会して議する場所だ」「意見を言わない人は会議に不要だ」といった考え方が常識になっているようです。もちろん間違っていません。

しかし、私が知る真にデキる人は会議で会して議しません。参加者が一定数を超えるような会議であれば、そもそも会して議するメリットが少ないと知っているからです。大規模の会議やフォーマルな会議で、一定の心理的バイアスが働くのは、日系企業にかぎらず、外資系企業も基本的には同じです。

その性質を理解している真にデキる人は、会議で以下のことを心がけます(特に主催者)。

・できるだけ少人数で行う(ベストは4人以内)
・前提情報を会議前に共有しておく(情報格差は齟齬そごの元凶)
・無駄な論点は会議前につぶしておく(根回しとは異なる)

これにより、参加者全員が多くの時間を無駄にしなくて済みます。

自分が主催者でない場合も、可能な限り会議の前に雑件を済ませておくことで、会議で他の人の時間を無駄に使うことがなくなります。逆に言うと、それだけ会議は他人の時間を奪いやすいものと心得ておくべきです。

ちなみに私の会社では、何かあればその都度、最小限のメンバーが問題解決にあたっているので、全員がそろう週次会議はお互いの近況確認程度にとどまり、たいてい6分も経たずに終了しています。

図表作成=筆者