教科書通りの行動をとらない
あなたは仕事が速くてクオリティーも高い、いわゆる「仕事がデキる人」に対してどのようなイメージをお持ちですか? 頭が良くて紳士的で仕事をバリバリこなす切れ者、といった感じでしょうか?
いずれも間違ってはいないのですが、これまで私が日系・外資・起業という多様なキャリアの中で出会ってきた真に仕事がデキる人は、王道のデキる人のイメージとはずいぶん異なりました。
彼らが意識的にそうしているのかは分かりませんが、少なくとも教科書に書かれているような模範的な振る舞いはしません。そのせいか、時に誤解も生みます。しかし抜群の結果を出します。
そこで今回は、王道とは異なるやり方で結果を出し続ける「真に仕事がデキる人」に焦点を当てて、その考え方や振る舞いについて迫ってきたいと思います。
1.真にデキる人は悩まない、がんばらない
仕事に悩みや不安はつきものですよね。特に今日のように移り変わりの早い時代には、昨日までうまくいっていたことが、明日には立ち行かなくなるといったことはちょくちょく起こります。なので、その気持ちが分からなくもありません。
一方で、悩みから抜け出せず、ただ時間が経つのをやり過ごしている人は少なくありません。やり過ごすだけならいいのですが、人に愚痴を吐いたり、中には八つ当たりをする人もいます。愚痴を吐いたり八つ当たりをしたりしても、状況は何も変わりません。
状況を変えるには何らか行動を起こすことです。時にがむしゃらに行動することで、状況が好転する可能性は高まります。また行動することで景色が変わり、その時間だけでも悩みや不安が上書きされる効果は大きいはずです。
そして「行動すること」以上に大切なのが、「考えて行動すること」です。一時期に行動量を増やすことは大切ですが、ずっとがむしゃらにやり続けるのは効率が悪すぎます。
これを個人単位でできればいいのでしょうが、難しいこともあります。そんな時は、個人任せにしない仕組みづくりも必要です。
謎解きゲームの企画制作をなりわいとするうちの会社では、社員に細やかな指示・指導をする代わりに、体験給制度と称して、毎月一定上限額下で他社の好きな公演に参加できるようにしています。参加後は感想や自分ならどうするといった工夫についてメールで共有してもらうなど、意図的に考える機会を設けています。
このように、「悩む時間」を「行動する時間」に変え、「ただ行動する」を「考えて行動する」に置き換えていくことで、仕事の質は格段に高まっていくことでしょう。